1152人が本棚に入れています
本棚に追加
タクシーにのって、送ってもらう手はずになっていた。
座ると結構気を張っていたらしくドッと疲れがやって来た。
女の姿のままの俺。このままでアパートまで帰るのはまずいよなぁ、と思いつつ、かといって疲れきった俺はさっさとかえって寝てしまいたい気持ちでいっぱいだ。
近所付き合いが濃いわけではないし、誰にも会わないようになかにはいれたら完璧。
誰かに会ったとしても気に止められることはないだろう。なら、大丈夫か?
何てことをボーッと考えてた。
「・・・あ、住所いわないと」
「もう目的地は告げた」
「え?」
そうだっけ?
ボーッとしていて聞いてなかった。
ん? でもなんで智哉が知ってんの?
住所なんていったっけ? うちに来たことなんて、なかったよな?
俺が智哉のマンションにいったことはあったけど・・・。
あのときのことを思い出して少し恥ずかしくなる。
ん? それを思い出して、ふとそとの景色に疑問を持った。
なんとなく、智哉のマンションに来たときに見覚えのある景色だ。
最初のコメントを投稿しよう!