ーキミガスキ

10/19
前へ
/288ページ
次へ
「ごちゃごちゃ言ってる方が目立つ。いくぞ」 「あっ、ちょ、ちょっと」  手を引かれたまま強引につれていかれる。  こういうとき、智哉の強引さは発揮される。  最初に出会ったときのような、有無を言わさぬ強引さ。  エントランスを抜けエレベーターに乗せられそのまま智哉の部屋まで一直線。  ポケットの中から取り出した鍵で玄関を開けると中に俺を押し込んだ。 「もう、強引だな」 「・・・・・・」 「なに? なんで黙って・・・え、」  グラリと体が傾き何が起きたかわからないまま俺の体は智哉の腕のなか。  玄関入ったそこで、ぎゅっと抱きしめられ身長差のせいで引き寄せられ背伸びする形になる。
/288ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1152人が本棚に入れています
本棚に追加