ーキミガスキ

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「好きだ」  そして、耳元でそう囁かれた。  切羽詰まったような声。  そんな声で、好きだとそう言った。 「えーーーーー」 「夕紀、お前が好きだ」  今、なんて。  好き・・・?  智哉が、俺を?  うまく理解できない。だってそんなことあり得ないと思ってた。  だから、自分のこの気持ちは隠しておかないといけないだろうと思ってた。  自分自身、男を好きになったのははじめてで、戸惑いが隠せなかったし。  それを智哉に押し付けるのも嫌だった。男相手に何をいってんだって気持ち悪がられるのもいやだった。
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