ーキミガスキ

16/19
前へ
/288ページ
次へ
「ほら。着替えは普段着だろう? 俺のジャージを貸してやるから。化粧を落とす道具はマキからもらってるんだろう?」 「うん・・・」  今日は、女装する手伝いはできるけど、オフする手伝いは仕事が立て込んでいて難しいと言われたため、着替えた服とメイク落としはマキさんにもらって持ってきていた。  コンパクトにまとめた荷物は、智哉の荷物として不自然にならないように運んでいた。 「ここが洗面所だ。使い方は前も使ったからわかるだろ? タオルとか適当に使ってくれたらいいから」 「う、うん。ありがとう」 「それから、さっさと済ませてこいよ。遅かったら倒れてないか見に来るからな」 「大丈夫だって!」  今のところ、たぶん微熱くらいだと思う。  倒れるほどではないはず。  体がだるくてボーッとすんのは、疲れたからだけじゃなかったんだな。  熱だすなんて、俺ひ弱な訳じゃないと思うんだけど。
/288ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1151人が本棚に入れています
本棚に追加