ーキミガスキ

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「よし。横になって寝ろ」 「あのさ、本当にいいのか? 俺、ほんと帰れるよ」 「いいって言ってるだろ」  言い出したら聞かないことはもうわかってる。  でも、最後の抵抗で聞くと案の定。渋々ベッドに横になる。 「俺がここで寝たら、智哉どこで寝んの」 「俺のことはどうでもいい。熱が上がらないうちにさっさと寝た方がいい」  意外と過保護なんだな。そんなことを考えながら横になって智哉を見る。  俺たちって、恋人同士になったんだよな。  さっき、智哉もそう言ってたよな。  なんか変な感じだ。智哉が俺の、恋人だって。二十五にもなってファーストキスもまだだった俺に、しかも、男の恋人。  予想外でしかない。  自分が男を好きになったことも。  男である智哉が俺を好きになってくれたことも。
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