かりそめの花”ヨメ”！？

ー好きなタイプ

　女っぽいとか、女々しいとか、大っ嫌いな言葉だったけど。
　智哉のためだったら、そういうプライドとか捨ててもいいと思える。
　それくらいには、智哉にぞっこんらしい。

「好きなタイプって、そうなってどうするの？」
「もっと、智哉が好きになってくれるかもしれないじゃん。本当の女の子にはなれないけどさ。少しでも、智哉のタイプに近づいてよろこんでもらいたいっていうか」

　知られている。そう思うと隠し事なく話せていい。
　マキさんはすっかり俺の相談相手になっている。こんなこと赤裸々に話せるのは、きっとマキさんしかいない。

「夕紀ちゃんは夕紀ちゃんのままで十分じゃないの？」
「よくないよ。だって、あんまり男って感じじゃ、智哉だって嫌だろ？　フリフリとかほんとは嫌だったけどさ、智哉がその方が好きなら頑張って着てみようかな」
「なにその健気さ･･･。涙が出るんだけど」
「ははっ、なにそれ」