ー好きなタイプ

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 どんな反応するかな。  驚くだろうか。かわいいとか言っちゃうかな。  男としての俺を好かれている自信がない。  そうなると、女になっている自分が求められてるんじゃないかと思ってしまう。  女の子が好きだった智哉だから、その方が納得が出きると思ってしまう。 「いつもと雰囲気が違うな」 「あ、うん。こういうウイッグもあるんだって」  智哉と待ち合わせた場所で、俺の姿を見た智哉に言われた。  気づいてくれた。やっぱこういうのが好きなのかな。 「ど、どう?」 「ん? ああ、似合ってるよ」  どぎまぎしながら尋ねると、笑顔でそう答えてくれる。  女装が似合ってるなんて、これまでだったら全然嬉しくなかったのに智哉に言われたら嬉しいと思ってしまうのだから不思議だ。
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