ー好きなタイプ

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「苦手なものはあるかな?」 「いえ、なんでも食べられます」 「そうか。なら適当におすすめを頼もう。それ以外になにか食べたいものがあれば好きに頼みなさい」 「ありがとうございます」  おじいさんはとても元気そうに見える。  腰をかばっているようには見えないし、回復したというのは本当みたいだ。  その事にホッとする。 「おじいさん、腰よくなってよかったです」 「ありがとう。夕紀のお陰でこの通りだ」 「私はなにもしてませんよ」 「夕紀が持ってきてくれた果物、どれも美味しかった」 「食べてくださったんですね」  おじいさんは、あの日俺と社長との間に起きたことを知らない。  俺が言わなくていいと言った。変に心配かけることはないと思ったし、今こうしておじいさんと話していて、そうしてよかったと思った。  たぶん、知られていたらこんな風に今穏やかに話はできていなかっただろう。  おじいさんも責任を感じてきっと頭を下げられただろうし、こうして気軽に誘ってもらえなくなるだろう。
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