ー好きなタイプ

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 美味しい料理だけじゃない、おじいさんとの会話は俺にとってとても楽しいものだから。  なくしたくないんだ。 「ん~! なにこれ、蕩ける。おじいさん、これ、本当に美味しいです!」 「ははは、そうか。美味しいか。よかった」  ほっぺたが落ちそうなほどうまい!  目を丸くして、感動しながらおじいさんに訴える。  ほんと、普段食べなれていないのがまるわかりだな。でも、事実だから仕方ない。 「夕紀」 「ん?・・・っ」 「ついてた」  名を呼ばれ顔を向けた俺の口の端。  そこを智哉の親指がぬぐう。
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