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「悪かったわね、擦れてて可愛いげがなくて」
その話を休憩時間が被った佳乃に何気なく話すと不貞腐れた顔で睨まれた。
いや、別に佳乃が擦れてるとか、そんな話しはしてないけど。
「そういうとこじゃね?」
「うるさいな。わかってるわよー」
パックのコーヒー牛乳を握りしめながら項垂れるように机に突っ伏した。
「でも。やっぱ女って前川とかああいうかっこいい男が好きなんだなー。ほんとやんなるな」
「だから、夕紀みたいなのが好きな人だっているって」
「どこに。今まで出会った女どもはみーんな、男らしい人が好きなの! つって俺を振ってきたけどな!」
「あんたの見る目がないんでしょ」
「なんだそれ」
見る目の問題か?
散々、散々そんな返事ばっかもらってきて、告白した相手じゃない好きでもない奴にさえ世間話のように男らしい男が好きだと聞かされる始末。
俺はどう頑張ってもそうなれないのに。
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