ー最悪な出会い

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ー最悪な出会い

「やっべ!」  ホテル一ノ宮内にあるレストランで働く俺は、目を覚ましスマホの時計を確認して絶望を感じた。  いつも家を出るその時間だったのだ。  なんで。アラームしてなかった?  昨夜の記憶をたどりながら慌てて着替える。  飯なんて無理だ。そういえば前買ってあったあんパンがあったはず。  それを引っ付かんで持っていこう。  ああ、そうそう。昨夜ね。  昨日は遅番勤務で、同僚の佳乃(よしの)と駄弁りながら途中まで帰って。  なんでもバイトの前川と渡辺が付き合い始めたっていう話を聞かされ、彼女のいない寂しい俺はやけになって普段は仕事の前日には飲まない酒を飲んで・・・。  ああそうか。それでアラームも忘れて眠ってしまったわけか。  そんなことを思い出したところで時間が戻るわけもなく、アパートを飛び出すとひたすら走った。  田舎から出てきた俺は、一人暮らし。  運よく職場から比較的近い場所にアパートを借りられたためいつも徒歩で通っている。  でも、今日は走ってだ。
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