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はっきりものを言える智哉が、不味いものをだらだらと食べ続けると思えないし。
楽しくないのならもっと不機嫌そうな顔をしてもいいと思うのだ。
出会って数回で何がわかると言われたらそれまでだけど。
失態をしでかしてしまったお詫びのつもりでフォローを入れた。
「そうか。夕紀は本当に智哉のことを思ってくれてるんだね」
「え、えと・・・」
「気に入った! 君にならうちの大事な孫を任せてもいい! いや、君でないとダメだ」
「え、ええ?」
思いもよらない形で気に入られてしまったみたいだ。
これは、よかったのか?
俺としては、まずったのではないか?
問答無用!って嫌われた方がよかったのでは・・・・・・。
今さら気づいても後の祭りだ。
「すみません、おじいさん。急な仕事が入ってしまって・・・」
「なんだ、つれないやつだな。まぁ仕事なら仕方ない」
スマホを確認し席をはずしていた智哉が申し訳なさそうにおじいさんに断りを入れる。
そろそろ解散かな。まだ料理少し残ってるしもったいないけど、智哉が仕事なら仕方ないか。
今のうちに食べられるだけ食べておこう。
なんて貧乏性丸出しで食べていた俺の耳に耳を疑う言葉が飛び込んできた。
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