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本当に、許すつもりなんてなかった。
文句のひとつでも、いや二個も三個もしこたまいってやろうと思ってた。
「こんなんで、許されると思ったら大間違いだからな!」
お礼だとつれてこられたのは焼き肉店。
それも、高級そうな雰囲気の漂う普段俺がいく店のランクがひとつも二つも上のところだ。
お礼くらいすると呼び出され、それでもこの間の置き去りの件を根に持っていた俺は店について落ち着いたらしこたま文句をいってやるつもりだった。
でも、いざついたのはこんな高級焼き肉店。
肉の値段も普段俺がいってる店とは違って、その上値段にみあう程の口の中で蕩けるような上質な味を噛み締めていたら、その文句も一緒に飲み込んでいた。
それでも悔しくて苦し紛れにそんなことをいう。説得力は皆無だ。
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