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レストランでホールに出てたち仕事だから、仕事の前に疲れたくないが、そんなことを言ってられる状況ではないのは確かで。
二十五で比較的若いとはいえ、運動をしていた高校時代と比べると体力は落ちたのをひしひしと感じる。
あと少し。
ホテルの姿はとらえた。
あの角を曲がれば従業員入り口はすぐそこだ。
「きゃっ!」
「うわっ!?」
大きな衝撃と、ぐるんと視界が回る感覚のあと思いきり尻餅をついた。
それは相手も同じだったようで、目の前で同じように座り込んでいる人の姿。
綺麗な女の人だ。小綺麗な淡いピンクのスーツを着こなし、スラッとした手足。
上品そうな顔つきで、濃すぎないメイク。目を引き付けられる容姿。
「う、わ! すみません! 大丈夫ですか!?」
やってしまった。
本当に、朝からついていない。
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