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「お前には本当に感謝してる」
「当然だし。俺がどれだけの屈辱を我慢してあんなことをしているのか、よくよく考えてほしいね」
「もとはといえば」
「うるさいな！ わかってるよ！」
俺のせいってことは。しつこいな。
って、しつこいのは俺も一緒か。
でも、女装して女のふりをするってことは、本当にそれくらいしつこく文句を言いたくなるくらいの屈辱的なことで。
いろんな葛藤を我慢して我慢して我慢した上での行動だってこと、本当によくよく理解してほしい。
「でも、お前もよくない」
「はあああ！？」
「俺の当初の予定では、恋人を紹介するが、気に入られる予定はなかった。盛大に反対されて無理矢理他の見合い話を持ってこられるのは嫌だったから、可もなく不可もなく程度で済ませるつもりだったんだ」
「可もなく不可もなく？」
「太鼓判を押しはしないが、まぁ俺がいいと思うなら仕方ないか、くらいの感じで済ませるつもりだった」
そんなこと計算して相手を選んでたのか？
可もなく不可もなくって、元々智哉が選んでいたあの人は十分人目を引く綺麗な人だったけど。
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