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「あの人は人の見る目に鋭い。それは外見だけでなく中身の面でもだ。だから、簡単に気に入る人材がいるわけがないんだ。でも、孫である俺の気持ちは汲もうとする。ある程度仕方ないかと思える範囲だったら、裏で見合い話を画策するかもしれないが、そう性急に組み込まれることはないと踏んだんだが」
そこまで考えて紹介しないといけないなんて。
ていうか、もし本当の恋人がいたとして、おじいさんに紹介するのってものすごくハードルが高いんじゃ。
おじいさんのお眼鏡にかなう人なんて、いるんだろうか。
でも、孫の智哉の気持ちを汲もうとするってことは、智哉の選んだ人なら結局は許すってことなんだろうか。
でも、裏で見合い話を画策するとか言ったよな?
なんか、すごい世界だ。
「てか、それでなんで俺のせいなんだよ」
「夕紀がおじいさんに気に入られるから」
「・・・・・・は?」
「初めて会わせた日も、なかなかだったが、この間のでだめ押しだったらしい」
「だめ押しって」
「具合が悪いのを心配して、ホテルまで送ってもらったと意気揚々に話していた」
心配するのは当たり前で、それで気に入られる意味がよくわからない。
確かに、心配してもらうのって嬉しいけど、でも、俺はそんなつもりで心配した訳じゃなくて。
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