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「それに、料理をあんなに美味しそうに食べる子は気持ちがいい。気に入った、と本当に楽しそうだった」
「へ、へぇ」
「お陰で、また会わせろとしつこくて断るのが大変だ」
少しうんざりしたような顔。
そんなことを聞かされて、嬉しいような複雑な気分だ。
気に入ってもらえることは嬉しい。
嫌われるよりはやっぱり好かれた方が嬉しいのは当然だ。
でも、そのせいで自分の首を絞めている気がする。
女装はこりごりなのに、自分の行動で気に入られてしまって、また会わされるはめになって・・・。
いつまでこんなことを続けないといけないのか。
ふと過ったその期限のおわりに、悲しくなって頭を振って打ち消した。
考えたくない。
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