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「おじいさんには孫が俺しかいないから、俺に期待してくれていると言うか可愛がってもらっているだけだ」
「へぇ」
まあでも、嬉しいことだよな。
おじいさんに可愛がってもらうって言うのは。
智哉も、おじいさんのことは大切に見える。
おじいさんの願いを、例え嘘だとしても叶えようとしてるんだから。
間違ってるんじゃないかと思うこともあるけど、安心させたいという気持ちがわからなくもない。
「というか、お前は結構ずけずけとものを言うな」
「ん?」
「可愛い顔して口は悪いし、人のこと初っぱなから呼び捨てにするし。態度は言わずもがな」
「可愛い言うな。仕方ないじゃん。それが俺なんだから」
強がって、悪ぶって、男ぶって生きてきた結果なんだから。
”可愛い”と言われたくなくて。
”女々しい”とナメられたくなくて。
だからって、ほしかったかっこよさなんてひとつも身に付かなかったけど。
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