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「いた・・・、足を捻ったみたいで・・・」
「え・・・! すぐに病院にいきましょう!」
「おい。約束の時間に間に合わない」
「は?」
そこに、さっきからいたのか背の高い不機嫌そうな顔の男が声をかけてくる。
約束? なに、この人の関係者?
てか、ここは心配するところじゃないのか?
「約束って、怪我してるんだぞ!?」
「知るか。こっちは金を払ってるんだ」
「金? は?」
「すみません、代わりの者を手配しますから」
「適当な奴をつれてこられても困る」
女の人は怯えたようすで男に謝っている。
なんなんだ? この二人の関係って。
怪訝な顔で二人を見る。
「・・・いけるか?」
ふいに男の視線が俺を捉えた。
頭の先から爪先まで舐めるように見つめられる。
なんだよ、その不躾な視線。失礼な奴。
眉間にシワを寄せているが整った顔をしている。
シャープな顔、少しきつい印象を受けるが整った端正な顔つき。
細身だがスーツが似合う程度にはガッチリとした体型のその男。
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