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おじいさんの思いが胸に痛い。
俺が本当の女だったら、例え偽物だったとしても、笑って私もです、なんて答えてもしかしたら実際本当にそうなることもできたかもしれない。
でも俺は現実男で、結婚することなんてそもそもできない。
仮に女だったとしても、偽物の恋人である俺が結婚できる訳はないのかもしれないけれど。
現実的に結婚できてもできないのと、現実的にも結婚できないのではかなり違うと思うのだ。
そこを悩んでもどうにもならないことはわかってる。
わかってるからこそ、モヤモヤしてしまう。
「すみません。ちゃんと智哉さんとの仲を深めてからゆっくり進めていきたいんです」
「そうか・・・。ワシも無理にとはいえんからな」
当たり障りなくそう答えると、落ち込んだ様子に胸が痛んだ。
おじいさんが智哉のことを本当に大切に思ってることが伝わってくる空余計にしんどい。
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