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「夕紀さん・・・」
社長はなぜか、噛み締めるように名前を繰り返した。
え、なに。
わかんないんだけど、その反応。
ていうか、いい加減この掴んだままの腕離してほしい。
「ああっ、す、すみません。あなたを見かけて思わず・・・」
自分が俺の腕を掴んだままだったのを今さら思い出したのか慌てた様子で離した。
少し強く捕まれたのかジンと痛い。
「すみません。痛めてしまいましたか?」
「え、あ、いや。大丈夫です」
「すみません・・・」
なんだろう。
この気弱な感じ。
智哉の叔父とは思えない。
というか、おじいさんの息子とは思えないくらいの弱々しい感じだ。
真面目そうな感じ。
仕事中の社長ってもっとビシッとしていて厳しい感じの人だと思ってたけど。
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