ー男にモテても嬉しくなんて、ありません

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「いえ、大丈夫ですよ。あの、どうかしましたか?」 「え、と。その。この間初めて会ったときから、あなたのことをお綺麗だと思っていて。あなたのことが知りたいと思っていたんです。もう会えないと思っていたから感激で思わず呼び止めていました」 「え・・・・・・」  んんんんんん?  なに。これは。なんの告白?  お綺麗だった? 誰が? ああ、俺がだよね。  俺がっていうか、俺が女装した姿の夕紀が、だよね。 「あの、よければお友だちからでいいので仲良くしていただけませんか」 「え、あ、あの・・・。す、すみません。突然のことで戸惑ってしまって、その・・・。失礼します」  俺が答えられたのは、それが精一杯だった。
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