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「ねぇねぇ、知ってる? うちの社長の一目惚れ騒動」
「は?」
仕事の休憩中、休憩が被った佳乃がこそこそと耳打ちしてくる。
「この間、見た人がいるんだって。社長が美女に迫ってるの」
「はぁ? 迫るって」
「友達からお願いします! っていってたってさ」
「・・・はああ?」
絶対にあの時のじゃん。
めちゃくちゃ目立ってんじゃん。
そりゃ目立つよ。
相手はこのホテルの社長だもん。
なんだなんだって思うよ。
「社長って、目立った噂ないじゃん。だから、すごく意外だったなー」
「へ、へぇ。まぁ、社長も男だしね」
「三十五歳だっけ? 若社長だよね」
どぎまぎしながらなんともなしを装う。
あのときの女が俺だってバレるわけはないんだから堂々としてないと。
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