ー忘れたい、キス

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「こ、ここ・・・」  きっと、すごい家なんだろうことは想像に易い。  でも、本当に想像通りと言うか、以上と言うか。  ものすごい豪邸だった。  大きい門構え、門から見える向こう側は広い庭が広がり、少し先に大きな洋風の豪邸が聳え立っていた。  恐るべし、元社長!  インターフォンを鳴らすと、上品な女の人の声で応答があり、自動で門が開いた。  すげぇー。  小学生みたいな感想しか出てこない。 「いらっしゃいませ」 「あ、こんにちは。おじいさんが腰を痛めたときいて、お見舞いにこさせていただきました。あの、早乙女夕紀と申します」 「旦那様から伺っております」  旦那様! 旦那様っていったよ、この人。  お手伝いさんなんだろう、服も使用人みたいな服だった。  がっつりなメイド服ではなかったけど。
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