あの世の入口で

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あの奇妙な体験をして、奇跡の生還を遂げた後、時折自分の知らない間に知らない場所に来ていたり、していたりすることがある。 交番勤務の最中にまで、ふっと意識が遠退き、気が付くと交番に来ているスーツの男に、恐怖を浮かべた顔で見つめられていたこともあれば、夜中に知らないアパートの前で、見知らぬ男女に微笑みかけていたこともあった。 こんなことはいつまで続くか分からない。どちらにしろ、私には抗う術がないのだから、この世に彷徨う魂という物を気が済むまで救わせる他ないのだ。
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