3 トニヤ・ジョッセルは、東洋猫の店主と相性が悪い

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 トニヤはどのように話をしたものかと迷い、カリカリとテーブルを鉤爪で引っ掻いた。 「おいそれとお前の話に乗れば、僕は間違いなくタウに殺されちまうぜ。この案に協力なんかできるわけがない。しかしお前は、それで引き下がっちゃくれないよな」 「もちろんよ。あたしは、これから花街のお姉さんたちに噂を流すわ。二年前に殺されたシャム猫の娼婦には娘がいて、その子は犯人を知っている。そしてその子は、まだ花街に住んでいる……ってね。つまり(おとり)になるつもりよ。蒼い服の猫殺しは、きっとこの餌に食いついてくる。そこを、トニヤとパパでつかまえてちょうだい」  トニヤは両手を顔に押し当てると、ヒキガエルが潰されたような唸り声を上げた。 「わかっちゃいるだろうが、ひどく危険だぞ。それに、この案にタウが同意するとは思えない。少なくとも僕はお手上げだ。説明役はご免被る」 「パパには、あたしから説明する。だからトニヤは、今からダウジングをしてほしいの」 「ダウジングだって? 何をする気だ」 「ダウジングでなければ、カードでもいいから占ってよ。いざって時の、逃げ方を考えておきたいのよ」 「いざって時の逃げ方だって? いかにも甘い考えだ。相手は大人の猫殺しだぞ。出くわしたら最後、逃げ出そうとする前に襟首をつかまえられるのがオチだ」 「大丈夫。つかまえられそうになったら、思い切り噛みついて、引っ掻いてやるわよ」
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