つむぎの復讐

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腕の下に敷いていたスマホのアラームで目が覚める。 ぼんやりとしたままアラームを止めようと画面を見ると、梨乃からの不在着信が山のように溜まっていた。 結局僕はあのままつむぎの家で寝てしまったのだろうか?もしかしたら梨乃に連絡する前に、つむぎも酔って眠ってしまったのだろうか……いや、その前に、何だろう、この匂いは。 眠り足りないと訴えてまだうまく働かない頭を必死に回転させようとしていると、視界の端に何かが映る。 ――赤黒い血溜まりの中、つむぎが倒れている。 眠気など一瞬で吹き飛んで、慌てて彼女の身体に駆け寄る。 冷たい。既に息はない。一体誰が。強盗が入ったのか?いや、部屋に鍵はかかっていたし、僕だけ無事なのは何かおかしい。それならどうして……まさか、僕が殺したのだろうか? 酔い潰れて眠ってしまってからの記憶はきれいさっぱり無い。酔った勢いで、もしかしたら。いや、そんなこと。そんなことは。 震えながらつむぎの血に塗れた自分の手を見る。これは先程彼女の息を確認した時についたものなのか、それともそれより前についていたのか。思い出せない。 それすら思い出せないのならば、やはり僕が。僕が、彼女を。 いや、違う。違う。きっとこれは、悪い夢なのだ。 無駄だと知りつつも、そう自分に言い聞かせるしかなかった。
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