0人が本棚に入れています
本棚に追加
「宮下!今度合コン行くんだけどね、来て欲しくって。」
嫌だよ。
佐藤が行くのが、嫌だよ。
そんな思いとは裏腹に言葉では良いよなんて言って。自分の首を絞めた。
もしこのときに私が行かない選択をしたとしても未来は変わらないだろうけど。
佐藤は私を選ばない。
***
「今度四人で出かけよう。」
この間の食事のあとの約束。
二人の男子から佐藤への熱視線を感じた。
本当は嫌だけど。
自分の知らないところで佐藤の恋が出来上がっていくのがもっと嫌だった。
誰とも結ばれませんように。
最低な願い事とともに私は佐藤についていった。
***
「早く山田ミナミになりたーい。」
酷く苦手な恋バナというやつも佐藤の話だから聞いた。
あの後結局二人ずつに別れて帰った。
私とペアになった斎藤くんとは何事もなくそのままお開きした。
斎藤くん。
呪うなら佐藤と一緒になれなかった自分の運の悪さを呪え。
そして佐藤と山田くんの方は、なんだか良い感じになったそうだ。
一時間ぐらいその山田とやらの話をずっと聞かされることになった。
どちらかというと憎い相手なんだけどな。山田め。
でも幸せそうな佐藤の顔を見てるとそれはそれで良いと思えてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!