序章

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「...後ろ、こんな感じで大丈夫ですか?」 気付いたら、カットはもう終わっていて 「はいっ、大丈夫です」 2回ほど頷き、鏡越しにその美容師さんを見た。 一瞬、視線が合い 「だいぶ、すっきりしましたね」 「...久しぶりにこんな短く切りましたっ」 「そうなんですね」 あなたはほんの少し微笑んだ後、私を レジへ誘導してくれた。 その日の帰り道 ショーウィンドウの前を通る度、 ガラスに映る自分の髪を確認し しばらく、あそこに通おうかなって なんとなく思ったのは 数年ぶりのショートカットが 案外しっくりきていたから。
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