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駅に着いた。
扉が開き、多くの人が降りていく。丸と四角はにらみ合ったままだ。ほら、誰も収めになんか行かない。関わらない。扉の真ん前をふさがれているので、かなり迷惑だが、それでも人々は彼らの横をすり抜けていく。彼らは視線を外さない。
私も席を立って降りるために徐々に扉に近づいて行った。扉の前がかなり律速になっている。乗り換えの電車はすぐに着てしまうのに、いまだ降りられない。
私はつり革と一体化しかけている四角の左手をつかんだ。四角がこちらを見てくる。邪魔をするなと言いたげな顔を向けているが、目の奥では助かった、と思っているのがよく分かった。四角は私が軽く押しただけでつり革から手を離した。丸もこれ幸いと電車をすっと降りて行った。四角は私にとくになにか不平を言うこともなく、同じように降りて行った。
階段へ向かう流れのなかで、やはり私はと思ってしまう。
そんな役回りなのだろうと。
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