時は流れてもあの日見た空は変わらない

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時は流れて戦のない平成という時代が終わりそうな現在。 私は彼とまた再開した。いや、正確には彼に似ている彼女だった。そして彼女と付き合っている。もちろん、私の前世の記憶は曖昧である。 「ねぇ、私、音楽で使うマークの『#』が好きなんだよねぇ。ねぇ、君は?」 「じゃ、俺も」 「ふーん。ねぇ、変なこと聞いていい?」 「……んだよ、急に」 「私たち、遠い昔にどこかで会ったことない?」 その時、冷たい風がまた吹いた。 「んなわけねーだろ?アホか」 「だよねー。あはははは」 そして笑う彼女に目を背けるかのようにして私は空を見上げた。二人の男女高校生のこんな他愛のない会話の上で今日もまた空は雲を泳がしながら人間たちを見ているのだった。 ー完ー
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