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私は鞘から刀を取り出し、彼らに私の思いをぶつける。緑に散らばる赤い血。何度も振るう刀。何人横たわる敵。私の心はもう何もない。
「やってくれたな」
親友に止めを刺そうとした男だけが残った。彼の振るう一振りが重かった。それよりも私は家族たちやそれを守るがために戦ってくれた親友の思いに比べたらこの一振りは軽かった。私は彼の首を目がけて刀を振るう。草原に赤い血とともに生首が転げ落ちた。
素早く親友の元へと向かった。しかし彼はもうすでに息を引き取っていた。二つの手の甲が空の下で重なる。そして空を見て空にまた問う。
「おい、雲よ、答えろよ。そこで見てたら分かるだろ?あいつは今、どんな顔をして向こうにいる?」、と。
もちろん、答えることはなかった。そして……。
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