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武人、女神様に色々な術を掛けられる
――数分後。
体中をボッコボコにされて白目になって倒れている大魔王様を蹴り飛ばして、その巨体大広間の隅にどかした凶暴な女神様が、それを脇で見ていた黒コゲですっかり様変わりした髪永さんに言った。
「で、おぬしは誰じゃ?」
確かに、焼かれる前の面影はないがひどい言われようだった。
「私よ! 私!」
「ああ、友か。どうしたのじゃ、そのカッコ? イメチェン?」
「こんなイメチェンするか! 何が悲しくてこんなイメチェンしなきゃならないのよ!?」
「すまん、すまん。質問を間違えたわ。で、なにが悲しくてそんなイメチェンしたんじゃ?」
「――!! あんたの魔法陣を使ったらあいつが出てきて、こんなふうにされたのよ!!」
「あっはっはっは。それは済まなんだ。じゃが、あんな奴にそこまでやられるなんて、おぬしは相変わらず弱っちいのう」
「あんな奴に勝てるのはアリアくらいよ! 相手は魔界のラスボスなのよ!」
「あー。そうなんじゃ? あんな弱っちいのがラスボスなら、魔界を滅ぼしに行かなくて正解じゃったな。物足りなくて面倒なだけじゃ」
「っていうか、私をこんな目に合わせておいて詫びの言葉もないわけ!?」
「って、そんな一日もかからずに治るような怪我でグダグダ言うでないわ」
「そんな短期間で治るか!」
「おぬし、いつもそんな目に会っとるのに、全然治癒能力が上がらないのな。儂なんか体が消滅しても三日と掛からず全快しとったぞ」
「……あんたみたいな化け物と一緒にしないで! こっちは、全快するのに2か月はかかったわよ!」
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