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「もう俺も今年で25歳になるし、いつまでも菜摘さんのヒモでいる訳にはいかないから」
藤は前を向いたまま答える。
どんな顔してそんなこと言ってるの。
何で相談なしに決めるの。
「別にヒモじゃないじゃん。藤だって立派に働いてるし。別に夢を追いかけながら仕事しちゃいけない法律なんてないでしょ?」
私はふてくされてブスッと言った。
小説の話をする藤は、本当にキラキラしてた。
そんな藤が見られなくなるのは 嫌だ。
うん、どう考えたって嫌だった。
「菜摘さんはさ、俺に物を書く才能があると思う? 俺の言葉は誰かに届くと思う?」
藤の声は凛とした響きで、寂しく夜の街に響いた。
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