吉川菜摘

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「俺いつまでも菜摘さんの」 断片的に聞こえる藤の声 。 「俺小説家目指すの止める」 「菜摘さんとは暮らしていけない」 え? 「ごめん、出て行くね」 ちょっと待って、何なの? 「仕事も止めて新しい女でもつくるよ」 ちょっと……! 「勝手なことばっかり言うな!」 「わっ何だよー」 目の前に藤の顔。 慌てて周りを見渡すと、私はベッドの上で、コタツの上には玉子焼きと納豆ご飯が置いてあった。 「朝ご飯出来たよ」 藤がふんわりと笑う。 夢か。 私は思わず藤の背中を蹴り飛ばす。 痛っ! と藤は大げさに倒れる。 「バカッ!」 私は藤の細いお腹の上に飛び乗った。
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