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俺の仕事場には、2人のライターと俺の妻である絹恵が事務員として働いている。
正直に言えば、手は足りない。
だが俺のやり方について来れるライターが少ない。
俺は俺の思った様に書けない奴はすぐにクビにする。
俺がクビを告げたとき、
「文章表現は自由だ! 何を伝えたいかなんて人によって違うに決まってんだろ!」
と生意気に叫んできた奴がいた。
奴は事実にあれこれ尾鰭を付けて、人の想像をかき立てる、そんな文を書いた。
俺は事実以外の誰かの想像なんかに、興味はない。
俺の雑誌に必要なのは、徹底的な事実だ。
俺は小説家が嫌いだ。
奴らは想像を軸に文章を書くからだ。
もう一度念のために言うが、俺は小説家が嫌いだ。
そんな俺の所に、秋山藤はやって来た。
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