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誰かそこにある頭を撫でてくれ
目が覚めたら、目の前に私の首があった。
ーーー首から下はない。
目を閉じて、口も引きむすんだ顔だけが転がっている。
けして、可愛いとは言えない。でも、酷いとも言えない顔。
短めのボブは小学校からずっと変わっていない。髪が夕日に照らされて赤く光っている。
それは、紛れもなく私で、見慣れた顔だ。
ただ、目を閉じた見慣れない顔のせいで、自分とはまったく別の物にも見える。
夢だと思いたい。
けれど、夢じゃないよ。
と体が言っている。
私は震える指で自分の体に手を伸ばした。
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