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「何だ何だ...うるせえんだよ...頭割れそうなんだけど...」
いつの間にかドアが開いて不機嫌そうな顔が覗いた。
「に、西本さん!」
ボサボサの髪を抱えながら、目をパチパチさせている。彼は会社の先輩だ。
「あ、皆さんようやくお目覚めですか?」
今度は反対側の廊下からシルクのパジャマを着た女性が歩いてきた。手にはペットボトルの水を持っている。
「北河ちゃんも!どうしてここに?みんな拉致されて来たの?!そして君はなんでそんなに寛いでるの?!」
私の問いかけに北河さんは首をかしげた。
「何言ってるんですか、先輩。もしかして昨日皆でハロウィンパーティーしたの忘れちゃったんですか?皆で浴びるようにお酒を飲みまして、最終的に部長のお宅にお邪魔したんです。これはお借りしました。」
ハロウィンパーティー!その単語を聞いた瞬間に私の中では走馬灯のごとく昨夜の記憶が流れて行った。酒、酒、酒、部長の禿げ、酒。あと踊る禿げ。
ハロウィンを祝うという習慣が無く育った私に、イベント好きの北河さんが飲みに誘ってくれたのだ。そう、今ここにいる4人と部長を...
私と顔を見合わせた東山が言った。
「そうだ、思い出した...!でも2人とも聞いてくれ。今は大変なことになったんだ。部長がそこで死んでいる。きっとこの中に犯人がいる!」
「えええ!」
「なんですって!」
私たちは2人を落ち着かせてとりあえず隣の部屋に移動した。ここはどうやらリビングのようだ。
座るやいなや、北河さんが神妙な顔で切り出した。
「南田さん、自首しましょう!」
「そうだ、俺もついて行ってやるぞ」
西本さんまで!私は首をブンブン振って否定した。
「私じゃありませんよ!でも実は、私も東山も昨夜の記憶が曖昧で...お二人は何がどうなって今ここにいるのか覚えています?」
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