1人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺?俺は部長と高級なお店に遊びに行ってたんだよ」
西本さんが、大きなあくびをしてから話し出した。
昨日は部長と取引先で商談。終わってから直帰の流れだったんだが、部長がどうしても一杯付き合ってほしいって言うもんだからな。可愛い魔女と黒猫ちゃんがたくさんいるお店だったわ。
「要するにキャバクラでハロウィンイベントやってたんですね?」
部長もお揃いの猫耳着けてそれはそれはご機嫌だったな。もちろん俺も着けた。
「完全にホラー映画ですね。チェーンソー男に追いかけられるより恐怖ですわ、それは。」
しかし残念なことに、部長のお目当ての女の子は常連のIT社長に夢中でさ。それで俺たちは短時間で店を出て、部長を慰めながら歩いていたところ、北河たちにばったりと会ったんだ。
「だから部長すっかり落ち込んでたんですね」
北河さんが頷いた。
「へえ...それで合流してからはすぐ部長の家に?あ、皆さんコーヒー入りましたよ」
東山がいつの間にかコーヒーを人数分入れてくれていた。私はお礼を言っていただいた。たまには気が利くやつだ。
「いえ違いますよ。そのあと私がよく行く店で飲んだんですよ、そこもハロウィンパーティーしてました」
私の頭がズキリと痛んだ。
最初のコメントを投稿しよう!