ひかり
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目が覚めると、私は避雷針の前に立っていた。黒く濁りきった雨雲の隙間を、稲光が時おり素早く走り抜ける。 漸くだ、と私は思った。漸くあなたが私を見る。 ゆっくりと手を伸ばし、冷たくざらざらとした肌に触れた。ずっと焦がれていた恐怖を身体の奥まで感じたくて、腕を回して抱きしめた。これで全て終わりだ。雨が上がれば、私はもうあなたに欠けらの興味も持たないだろう。さようなら。そう言ったとき、空が烈しく輝き、私は笑った。
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