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「あの、村長。こいつは一体……」
村の男の一人が困惑した声をあげた。
「この方は帝国からの客人じゃ!」
村長はその場にいる者たちを一喝した。
「この方は怪しい者ではない。皆武器を下ろせ!リト!お前もじゃ!」
村長に怒鳴られてようやくリトは刀を下ろした。
「どうぞ、こちらへ。村へ歓迎します」
村長は帝国から来たという男を村へ案内し始めた。
「一体どういうことなのよ」
リトはまだ金髪の男に対して不信感をぬぐえなかった。金髪の男は周りの困惑もどこ吹く風といった様子で、にこやかに村長と談笑している。村へ向かうその長身の背をリトは睨みつけた。
もし村に何かあったら、絶対に、ただじゃおかない。
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