エリーのいる町

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 ある夜、ゴミを捨てに外へ出た絵描きは、子犬がいることに気が付いた。  子犬は汚れていて、一匹のところを見るとおそらく捨て犬だ。絵描きはゴミを置いて、店へ戻った。すぐに戻ってきても、子犬は同じ場所にいた。 「なあ、チビさん。よければこれをどうぞ!」  絵描きは子犬の前にベーコンを見せた。 「客が残したもので悪いんだけど…」  子犬はゆっくりと絵描きの手、ベーコンを見て、そして絵描きの顔を見た。子犬の目は街頭できらきら光り、まるで涙を浮かべているようだった。
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