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絵描きはベッドに着くとかばんの中から子犬を出した。キャンパスを入れる袋しかちょうどいいのがなく、油絵の具のにおいを嫌がるかと思っていたが、一言も鳴かずに大人しくしていた。その代わり、子犬はひどく汚れていたため、袋が汚れた。
「…子犬がお金を稼げたらなあ」
心の声が出てしまった。絵描きはふっと息を吐き立ち上がった。
「きみは秘密の同居人だな。人ではないけれど」
子犬をそっと抱き上げ、ストーブのそばへ連れて行った。ストーブの上に置いたたらいの水がぬるま湯になっているか確認してたらいを下ろし、中に入れて洗った。
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