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余白 無機質なアラームの音。いつもと変わらない朝。めざまし時計が指す時刻は6時15分。顔を洗いながら、「人生の価値は朝起きた時の気分で決まる」という教授の言葉をふと思い起こす。曰く、「もし君が、憂鬱な気分で朝を迎えるのならその生き方は君に向いていない。ほかの生き方をするべきだ。朝とは快く迎えるものであり、人生の新たな道の始まりなのだから。」とのことだ。成程、もっともである。しかし俺にはまったくもって関係の無いことだと、少し強がってみる。そんなことを思いながら身支度を済ませる。ギリギリまで寝ていたいので、身支度は起きてから20分で済ませるのが俺のポリシーだ。トートバッグにスマホとタバコを無造作につっこみ、1人で生活するには、少し広いアパートをあとにする。
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