余白

M

休日のバイトは忙しい。特に日曜日の昼時、かつ3連休の真ん中ともなれば店にとっては絶好の稼ぎ時である。しかしそんな店の都合など知ったことか。早くも帰りたい気持ちでいっぱいだった。人間というのは自分勝手なもので、他人のシフトの時は忙しくて結構だが、自分のシフトのときはヒマであってくれ、という考えの生き物だと(勝手に)思っている。忙しいのはうんざりだが、かといって手を抜くわけにもいかないので、1番ラクな(と言っても忙しいことには変わりないのだが)レジ打ちをやることにした。貴店の人手不足の尻拭いにわざわざ来てやってるのだから、せめて負担の少ないところをやらせてください。いや、やらせろ。デシャップなどもってのほかである。「いらっしゃいませー！」営業120%のスマイルだ。せっかくのヘルプなのでいつもの2割増しの笑顔で接客してやる。ただし交通費は多めに頂きますけどね。休日はいかんせん来客数が多いので、変な客が来ることも少なくない。昼間っから酔っ払ってる老人などまだましで、「おたくの商品がまずかったからカネを返せ」などというクレームが来た時は、こんなやつが本当にいるのか、と心底辟易した。お客様は神様などではない。断じて。今日は厄介なヤツが来ないことを祈るばかりだ。