余白

M

「お疲れ様。もう上がっていいよー。今日はありがとねー。あ、帰りに交通費申請の紙だけ書いといてね。」「あ、ハイ。お疲れ様っす。お先に失礼します。」やっと今日のシフトから解放された。時計を見ると19時を回っているではないか。非常に疲れた。晩ごはんを買いにコンビニへと寄った。あれだけ頑張ったのだからまかないくらいくれてもいいものだが、悲しいかな、あいにくそんな制度はない。弁当を買うついでに自分へのご褒美にウイスキーでも買って帰りたい気分だったが、給料日前でお金があまりないことを思い出して、缶チューハイでガマンすることにした。バイト先から駅までの道を歩くと、通りにはすでにイルミネーションが施されていて、カップルの姿も多く見られた。今年ばかりは、なんて電飾に向かって言うのもお門違いというものだ。寒いな。寒いのは身体だけではなかった気もしたが、寒さが疲れた身体に堪えるので足早に駅へと向かった。