音信不通

2/2
前へ
/11ページ
次へ
 私は棺に再び目を戻した。応答する主を失ったスマートフォンと、命を失った主がいた。その様子が妹と重なり、私はそれ以上見まいと俯きながら棺に蓋をした。けれどそれは臭いものに蓋。たんなる先延ばし、後回しでしかない。  まさか、連絡できないほど具合悪いということもないだろうが、帰りに妹のいる寮へ様子を見に行こうと思った。  
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加