66人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
第1章 引き裂き、その身を焼く
『やっと気付いた?
俺達、運命ん番やったんばい?
…………って言うてん、運命もクソも無かばってんね。』
.....アイツのあの言葉が、俺の頭を支配する。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
鷹飛 陽翔(たかとび ひしょう)。
不思議な名だと思った。
アイツは、いつでもヘラヘラと愛想笑いをしているが、その中に少なからず本心を隠している様な気がしてならない。
俺にとっては、そういう人間が大の苦手であり、嫌う対象でもある。
そんな奴が、【好きな俳優ランキング】で、若手ながらいきなり2位になったのだから面白くない。
だが、流石というか、顔はとても美しいものだった。
無造作にセットされた黄金色の髪。
深い哀しみを含んだような深みのある琥珀色の瞳。
言わずもがな整った顔立ち。
この業界に長い間居る俺でさえも、思わず息を飲んでしまった。
それ程までに、あの男は、初めて出逢った美しさを持っている。
物憂げな表情の似合う奴だ...とも、思った。
最初のコメントを投稿しよう!