第四章

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「くそっ。俺は………どうすれば」  一緒に連れてきた銀龍騎士団は10名程度のみ。相手は77柱を名乗る魔物が10名以上、さらに組織化された蛮族は千匹を超える。ベルフォールの言葉に従うつもりはないが、デルが動かすことができる人数では戦局を変えられる訳がなかった。 「デルは明日の戦いで、王国騎士団が負けると思っているの?」  藪から棒にフォースィがデルに投げかける。 「何だいきなり………まぁ、即座にとはならないだろうが、結論だけ言えばそうなるだろうな」 「なら、負けた後はどうなるのかしら」  1つ1つフォースィが仮定の話を積み上げる。デルは2度目の問いから、フォースィの言いたいことが少しずつ見えてくる。 「成程。お前の言いたいことが何となく分かったよ」「あら、そう?」  ならもう言う必要はないだろうと、その場から離れ始めるフォースィ。 「フォースィ」  デルの言葉が、彼女の足を止めさせた。 「まだ魔法は使うなよ? おそらく必要になるのは明日じゃない」 「………分かったわ。私もこの服装で戦うのは御免よ。気持ちも入らないし、何より借り物だから」  互いに小さく笑い、フォースィは風に向かって去って行く。  1人残されたデルは、ポケットに手を入れながら夜空を見上げた。そして感慨深く、特に強く輝く白い星を見続ける。 「………王国騎士団が敗北する、か」  先程とはうって変わり、冷えてきた風がデルの体を撫でるように通り過ぎた。
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