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:福島いるか:
伊織と真澄は取材が終わり、家の前で大きくため息をついた。
「はぁ~一時はどうなるのかと思いましたよ!」
冷や汗を書きながら真澄は伊織に言った。
伊織は自分の手をパンパンし、怒りながら言った。
「いつかあの社長懲らしめないとダメだな!!」
そう言いながら紅月邸を後にした。
紅月邸からの帰り道、真澄と伊織は後ろから肩を叩かれた。
「久しぶり!!」
2人は同時に振り返ると八重歯が特徴的な男の人がいた。
すると、伊織は驚いた顔をした。
「なんだー健吾さんですか…びっくりしたぁ…」
すると、健吾は不思議そうに真澄を見て伊織に聞いた。
「あれ?誰?」
すると、伊織は丁寧に真澄の事を健吾に紹介した。
「うちの部に入った新人ですよ!」
真澄は健吾に頭を下げた。
「佐野真澄と申します!よろしくお願いします!」
健吾は真澄に手を差し伸べて、真澄と握手した。
「よろしく!オレは営業の片桐健吾。中々オフィスに行くことはあんまり無いから、君と会う機会も少ないかもだけど、よろしく!」
伊織はさっき、朱雨を睨みつけた顔とはまるで別人の様な柔らかい表情で、健吾に訊いた。
「で?健吾さんはどうしたんですか?こんな所に…」
すると、健吾は髪をクシャクシャにしながら言った。
「営業先がたまたま近かったから、帰ってたら伊織君とその新人君が昂に見えてね。声掛けてみたんだけど、違ったみたいだね…」
そう言った健吾は、なんだか少し寂しそうな顔をしたような気がした。
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